秋田県立病院機構について


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理事長挨拶

秋田県立循環器・脳脊髄センターと秋田県立リハビリテーション・精神医療センター その専門医療を統合する地方独立行政法人秋田県立病院機構 秋田県民の健康を支える病院機構として進化し続けます

 2009年4月、秋田県立脳血管研究センターと秋田県立リハビリテーション・精神医療センターは、地方独立行政法人秋田県立病院機構(病院機構)が運営する病院として再出発しました。2019年3月、秋田県立脳血管研究センターは秋田県立循環器・脳脊髄センターへ改称しました。

 1968年12月、県は「脳卒中撲滅」という県民の強い願いのもとに秋田県立脳血管研究センターを開設しました。当時は脳卒中という病気について不明なことが多く、診断法も限られ、有効な治療法もほとんどありませんでした。そこで、24時間365日の体制で診療を行いつつ、脳卒中の研究を行い、診断法や治療法の開発にも全力を注ぎました。その成果を国内外へ発表し、脳卒中医療の進歩に少なからず寄与しました。

 その後、提供する医療を脳神経疾患全般、脊髄脊椎疾患、さらに循環器疾患へ拡げ心臓のカテーテル治療も行うようになり、リハビリテーション医療の充実も行いました。2019年3月には98床の脳心血管病診療棟を増築し、提供する医療を明確に示すよう「秋田県立循環器・脳脊髄センター」へ改称しました。高齢化が進む本県においては脳にも循環器にも病気を持つ県民が増えています。その対策として、脳心血管病診療棟へ最新の機器も導入し、脳神経の専門医と循環器の専門医が共同で包括的な医療を提供しています。一方、脊髄・脊椎疾患のため生活の質を維持できなくなるご高齢の県民も増えています。その対策としては、2015年5月から脊髄脊椎外科診療部を開設し、最新の医療を提供しています。リハビリテーションは急性期から回復期まで継ぎ目なく提供し、出来るだけ良い生活期の確保を目指しています。認知症は各種の検査結果をもとに専門医が診断を行っています。アルツハイマー病の新薬については、専門医の診断ののち、PETで適応を決め投与する体制を整備しました。

 研究については、2019年3月から「研究所」として明確に位置付け、脳血管研究センターをはじめ4つの研究センターで組織し、2024年4月からリハビリテーション・精神医療研究センターが加わり、5つの研究センターで研究を行っています。

  1997年4月、県は、脳卒中後遺症などの身体障害やさまざまな原因で生じる精神障害から回復・改善し、家庭や社会に復帰したいという県民の強い願いに応え、リハビリテーション科と精神科が協働し医療を提供する病院として秋田県立リハビリテーション・精神医療センターを開設しました。県は、2000年6月精神科救急の全県拠点病院に指定し、2009年4月には秋田県高次脳機能障害相談・支援センターを、2013年10月には秋田県認知症疾患医療センターをリハセンに設置しました。当初は200床でしたが、1998年には250床、2001年には300床に増床し、現在はリハビリテーション科診療部100床、精神科診療部100床、認知症診療部100床になっています。

 リハビリテーション科診療部では、効果の高い治療機器や新たなリハビリ技術の導入を積極的に行い、質の高いリハビリテーション医療を常に提供しています。さらに、県内医療機関や介護・福祉との連携にも積極的に取り組んでいます。精神科診療部では全県拠点病院として24時間365日体制で救急対応する一方、地域の輪番病院としての対応も行っています。そして、脳刺激療法など有効な治療法を積極的に導入し、常に最新の医療を提供しています。 認知症診療部では認知症疾患医療センターとしての役割を担うとともに、県民への啓発活動や認知症に対応する人材育成も積極的に行っています。アルツハイマー病の新薬は2023年12月に保険適用となり、その翌月から投与を開始し、県民を認知症から守る医療を提供しています。

 両センターは災害医療も担い、循環器・脳脊髄センターにはDMAT(災害派遣医療チーム)、リハビリテーション・精神医療センターにはDPAT(災害派遣精神医療チーム)を配備しています。東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震、能登半島地震など県外の大規模災害の支援にはDMAT、DPATのみならず、JMAT(日本医師会チーム)などの医療チームにも職員を派遣してきました。県内の災害支援としては、2023年7月の秋田豪雨災害でもDMAT、DPATが活動しました。循環器・脳脊髄センターは災害拠点病院に指定され、両センターとも県の災害医療コーディネートチームに参画しています。

  2020年からのコロナ禍では両センターとも県内外で支援活動を行いました。県内感染患者の入院調整、秋田県コロナ医療支援チーム(ACOMAT)として病院や高齢者施設、社会福祉施設でのクラスター対応、県内外で大規模クラスターが発生した病院への支援看護師派遣、循環器・脳脊髄センターにおける中和抗体薬投与、軽症患者の入院治療、リハビリテーション・精神医療センターDPATによる中国武漢から帰還した邦人のケアなど、多岐にわたりました。

 病院機構は、両センターが公的専門医療機関として質の高い医療を継続して提供するため、人材の育成・確保や体制整備を推進し、県民からより良い評価をいただけるよう努めてまいりました。しかし、提供する医療の拡充やコロナ禍などで財政的に厳しい状況に直面しています。地方独立行政法人の運営となり15年経過し、2024年4月から4期目の中期目標期間(5年間)に入りましたが、県と一体となり経営改善にも努めてまいります。「健康寿命日本一」を目指し、病院機構の総力を結集し、県内の医療機関等と連携して県民の健康を支える一翼を担ってまいります。

2024年4月    地方独立行政法人秋田県立病院機構 理事長 鈴木明文

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